ということで!前回の記事では、パキポディウム属が含まれるキョウチクトウ科は「複並立維管束」であるから接ぎ木が(サボテンよりも)容易であると書きました。
ということは、例えば、サボテン界では柱サボテンに玉サボテンを接ぐように、「属」を超えての接ぎ木が可能なわけですから、より接ぎ木が容易とされるパキポディウムでも属を超えた接ぎ木が可能なんじゃないかと思うんですね。
というわけで!
今回はパキポディウムを夾竹桃に接いでみます。
・・・
夾竹桃(キョウチクトウ)というのは、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の植物です。たまに街中でも生えていたりする下記のような植物。学名はNerium oleander var. indicum。
葉っぱなんかはパキポディウムそっくりですね。
系統樹的には下記のような感じらしいです。
夾竹桃はキョウチクトウ属でありNerieae連に存在し、パキポディウム属はかなり近いMalouetieae連に存在します。ということで遺伝的には結構近いわけです(ちなみにアデニウム属もNerieae連にいます)。
夾竹桃は成長も早くとても丈夫で、寒さにも強いですし、もしパキポに接げれば結構面白いことになるのではないかと思います!
ということで問題はどうやって接ぐかなのですが、サボテンの杢キリン接ぎっぽい感じでいくことにしました。サボテンが大好きな私にはそれしかわからないので。
杢キリン接ぎについてはこちら。
まずは夾竹桃を台木にするために挿し木します。新しそうな枝を切って、枝から葉っぱを少しを切って、土に挿します。
そんで数週間後。
下は成功した挿し木。
下は失敗した挿し木。接ぎ木以前に夾竹桃の挿し木の成功率が低い!6本中一本だけ成功しました。WEBから手に入れた知識で挿し木しましたが、もっと葉っぱを大胆にカットして蒸散を防がなければいけなかったのかもしれない(成功と失敗の差がよくわからない)。
そんで穂木はたしかグラキリス(Pachypodium gracilius)。
両刃カミソリで地上部をカットして、維管束付近に楊枝で穴を開けます。楊枝はざらざらしているので、本当はもっとアイスピックのようなつるつるのものがいいのかもしれない。
で、こちらも先端をカミソリで尖らせます。維管束を露出させるようなイメージで。
なお、夾竹桃には毒がありまして、この毒が案外(?)毒性が強いので、ビニール手袋等で保護しながら作業をしたほうが良いと思います。
そんでぶっ刺します!ぐっと奥まで。こんな感じ。
全体の写真。
別角度。面白い造形です。最初は頭が重くなるので特別な支柱的なものが必要かなと想像していましたが、案外そのままで大丈夫そうです。
切断面はなんとなくトップジンMを塗っておきました。
ということで、あとは日陰で2週間待ちます。
成長を開始すれば成功。しなければ失敗。
・・・まぁおそらく成功する可能性は限りなくゼロな気もしますが、そんなことを言っていたら進化していなかいので思いついたらやる!これが大事。
もし成功して、すごい勢いで成長でもしたら夢がありますなぁ!!!!
ということで今後の経過に注目です!
コメント
実験記事を毎回楽しみにしてます!私も根腐れ胴切り後に発根せずに瀕死のアデニウムをキョウチクトウに接いでみましたが活着せずに失敗しました…
もっとも、私は接ぎ木自体経験がほぼ初挑戦だったので腕が悪かっただけだった可能性も否定出来ませんのでもう何回か挑戦するかもしれません。
因みに台木の方のキョウチクトウの切り離した上半分は水挿しにしたら発根しましたので全員死亡はどうにか避けられました(汗)