今を遡ること1年7ヶ月前の2015年の年末。一つの実験をしました。
サボテン(金鯱)は密封された発泡スチロールの中でどれぐらい生きていけるのか?
という過酷な実験です。
簡単に言いますと、サボテンを箱に入れて何もしなかったとき、つまり、光なし、水なし、風なし、でサボテンは長期間生きているのかという実験です。
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実験内容の詳細は下の記事の最後「6.ベランダで発泡スチロールで密封」を参照していただけますと幸いです。
ということで!
今回は上記実験の1年越しの結果報告になります!!
はてさてどうなったのでしょうか。
サボテンは生きているのでしょうか。
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ちなみにこの実験、以前密封から半年経ったときに途中経過を記事にしています。こちらも適宜ご参照ください。
下の写真が2015年の年末の密封開始時(昔)の写真です。
そして密封を開始。
そして時が経ちました・・・。
冬も超え、夏も超えました。箱の中で。
で、1年4ヶ月後・・・。
2017年4月。
インディージョーンズにでてくる宝箱みたいです。
そして遂に封印が解かれる!どーん!
おお!生きて・・・る!
・・・といいますか一見するとまったく変化がない気がします!
ということで1個1個じっくりと見てみます。
ボディーは緑色と言えば緑色ですが、やや黄色がかった気もします(光を当てない”もやし”理論と同じで葉緑素が不要だからでしょうかね)。とはいえ、病的に「白」、「黄色」、というよりかは「緑のまま」という表現ができる色です。
大きさははやり少し縮んだ気もします。でもミイラではまったくないです。
刺はそのままですね。
徒長はしていません。むしろ引き締まっている感じですね。
う~ん、普通に生きている気がします。
でも・・・はたして”本当に”生きているのでしょうか。
・・・
そんな疑問を解消するために、この3つの金鯱の内ひとつを植え替えて、その後一般環境に置き、成長を再開するのか検証をしました。
下はビニールポットから引っこ抜いたときの写真です。根も普通ですね。根が枯れたりということもなく、土を落としても根が一緒に落ちるということもありません。というか見た目的には完全に普通の金鯱です。
そして普通に植え替えて、遮光を強めにしつつ一般のフレーム栽培へ移行。
・・・で、それから3ヶ月後。
どーん!
下の写真の中央付近を見て下さい!新刺です!
植え替え後、なかなか動き出さず心配していたのですが、ちゃんと動き出してくれました!
これで結果が出ました。
金鯱は、密封された発泡スチロールの中の、光もなく、水もなく、風もない状況でも最低1年間は休眠しつつ生きることが可能!
ということです!ちなみに箱内の温度、湿度、二酸化炭素とか酸素とかの状況は不明です。
というわけで珍しくきれいに完結した実験でしたね!
サボテン脅威のサバイバルパワーでした!
【重要な注意】
間違って理解してはいけないのは、この実験は「サボテンは1年間ぐらいは水をあげなくてもいい」ということを示すものではありません。一般家庭の出窓に置いてあるサボテンに1年間水をあげなかった場合、一部の例外を除いて(たぶん)殆どは干からびてしまうでしょう。
この実験の成功ポイントは、サボテンを強制的に休眠状態にしたことです(たぶん)。つまり、水も光も温度変化も与えず(温度変化については測定はしていないのですが、発泡スチロールの断熱性から推測)、サボテンが成長したいと思う要素を完全排除したことにあります。また、もしかしたら実験の開始が年末で、もともとサボテンが休眠気味だったことも幸いしたのかもしれません。
ということで、(いないとおもいますが)もしこの実験を真似をされるときはその点に注意をして、真似をして下さいませ。
サボテン栽培には水は必須です。そこは間違えてはいけません。ちなみに水やりに関しての過去の記事はこちら(ブログ移転前でしたのでフォントサイズとかメチャクチャですね。そしてテンションもおかしいです。黒歴史です。)。
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なお、植え替えなかった残り2つの金鯱は、2年目の密封に突入します。伊藤芳夫先生の著書によれば、2年間はいけるはずですし。
コメント
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
まさかの究極の実験にびっくりしました。徒長すらしていないとは。
倒れてたのは多分地震や台風などの揺れの影響でしょうけども、
それでも特にダメージがなかったのはさすがとしかいえません。
再び実験モードに突入する二株、頑張れ!
やなかず様
はじめまして、ご来訪&書き込みありがとうございます!
倒れたのはおそらく、箱を開けるために移動させたときな気がします(^_^;)
光がないので光合成は行われないのでしょうが、呼吸による二酸化炭素放出は行われているのか、などいろいろ謎は多い実験でした。休眠条件やそれの維持要件など詳しく研究していくと論文一本ぐらいかけるかもしれませんね!(人´∀`).☆.。.:*・゚
というわけで今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
こんばんは、初めまして。サボテン栽培3年目の初心者です。
スパサボさんのブログ、拝見するたびPCの前で思わず笑顔になってしまいます。
私も以前の記事を参考に真似させて頂きました。
昨年12月から今年の3月一杯の4か月間と短期間ですが、ほんとに何も変化なく
春の成長もまた、始めました。(驚)
(アストロとエキノケレウス数種)
当方も冬場の置き場に思案している身、本当に参考になりました。
・・・・・流石に二年間は試しませんが。
これからも貴殿のブログ、楽しみにしております。
水神の親父さま
こんにちは、はじめまして。
ご来訪&書き込みありがとうございます!!
お褒めいただきありがとうございます!
そうですか!真似されましたか!結果も当方とほぼ同じ感じということであれば、やはり「そういうもの」として結果認定して良さそうですね!この方法で、兜など腰折れなく越冬できるようなら、寒冷地などでの栽培法に少し変化が起きる可能性もありますね(ただ、いわゆる夏型塊根などを、冬は土から抜いて新聞紙にくるんで押入れに入れておくという栽培法は昔からありますので、目新しいことではないのかもしれませんけど・・・)!
どうぞ今後共よろしくおねがいいたします。(人´∀`).☆.。.:*・゚
いつも楽しみに、そして参考にさせて頂いております。
今回の実験結果は最も楽しみ(興味があるという意味)にしていたものでした。
我が家にはフレーム等が無く、冬はサボテンの多くを室内に取り込んでいます。
しかし室内に取り込むのも限界に近くなり、今年の冬はどうしようか考えていたところです。今回の実験結果を受け、12月から2月末までの約3ヶ月、一部のサボテンを鉢から抜きあげて新聞紙に包み、衣装ケース等の中(室内)で強制休眠させてみようと考えています。
どうせ春に植え替えをするのであれば、いっその事抜きあげて春をまった方が手間も省けると考えているのですが、いかがなものでしょうか?
追記として、スーパーバリダの厳ついこと! どういう育て方したら、あんなに花芽が厳つくなるのですか?
南国へぼさん
こんにちは!ご来訪&書き込みありがとうございます!
越冬のために真似をされる予定とのことですが、ブログを書いておいてなんですが、やはりあまりお薦めはできません^^;。というのも生き死にがかかるイベントになりますから、私の実験結果では、エビデンスとして弱いと申しますか。。。良い結果なのも強健な金鯱だからこそだったかのかもしれませんし(これは重要)、たまたまその3つだけうまくいったのかもしれません。
また、「休眠」という言葉の定義も難しいのですが、現在のサボテン栽培では、出来る限り休眠させないほうが良いと言われているようです(サボテン栽培農家から聞いた話では)。今回の実験でも、動き出すのに3ヶ月かかっています。目覚めをこじらせればもっと時間がかかったかもしれません。そういう意味でも、「どうしてもそれしか方法がない」という場合以外はあまり・・・責任も取れませんし。。。^^;実験的に興味があるということでしたら良いかもしれませんが。。
>どうせ春に植え替えをするのであれば、いっその事抜きあげて春をまった方が手間も省けると考えているのですが、いかがなものでしょうか?
栽培家としては暇な時期の冬に掘り上げておくというのは面白い実験だと思います。
ただ上にも書きましたようにやはり心配なのは「目覚め」です。幼苗でない限り死ぬことはないのかもしれませんが(わかりません)、環境の急激な変化に対して、春に植えてもなかなか動き出さない可能性が高い気がします。なんとなく経験的にですが。
何れにせよ、責任は本当に取れませんので。。。ご自身の責任で、なるべくバックアップのあるサボテンから試されたらよいかと思います。すみません。
ちなみにバリダですが、これと言って何もしていませんね^^;。冬は断水気味(完全断水ではない)で室内の窓際、冬以外は気が向いたら水やり。あと二年ぐらい植え替えはしていません(故意ではなく後回しになってしまって・・・)。追肥もしていません。もしかしたらそんな放置環境が花にはいいのかもしれませんね。身体には悪いのかもしれませんが。花は死ぬときに咲くとも言われますし。良いことなのか悪いことなのか・・・。
経験に基づく貴重なアドバイスありがとうございます。
自分で色々試したくなる性分でもありまして、「やってみないとわからない」をモットー?に試行錯誤の日々を送っているところです。失敗の連続ですが・・・
冬の管理場所が大きな課題でありましたので、もちろん自己責任でこの冬一部の強健種で試してみたいと思います。
今後もブログを楽しみに拝見させて頂きます。ありがとうございました。