現在のサボテン栽培業界における「鉢」は黒いプラスチックの鉢が主流のようです。理由は単純に、経験則的に保水性と保温性がサボテン栽培に調度良いということですね。特に黒い色は根を暖めるのでサボテンにとても良いということらしいです。
一方、一般鉢植え植物ではスリット鉢なるものが注目を集めているようです。鉢底の穴を側面まで延長し、スリット状にすることによって、根の成長を促進するというものらしいです。
原理的には
- 根が伸びる
- スリットから根が外気(外の光?)に触れる
- その根の成長が止まる
- 新しい根が生える
ということらしいです。詳しくはスリット鉢で。
スリットがない一般の鉢では、根が外気に触れることがないため一本の根がずっと伸び続け、鉢底でくるくる渦を巻くサークリング現象が起きてしまいます。このサークリング現象は根腐れや根量不足の原因となります。
だから、それが起きないスリット鉢のほうが良い!ということらしいです。
というわけで、今回は玉サボテンで黒プラ鉢とスリット鉢を比較して試してみました。
これが1年前の2015年3月の写真です。
被験者はダイソーで売っていた日の出丸(Ferocactus latispinus)の幼苗です。
上3つは多肉植物栽培家にはお馴染みのいわゆる黒の六角シャトルです。
下2つは緑色したスリット鉢です。
・・・
それが一年の時を経て
どーん!
2015年03月の写真です。
記憶に無いのですが、スリット鉢の数が増えていました(!?)。
注意)1年前に写真の構図をメモっていなかったので上の1年前の写真と下の写真でそれぞれの日の出丸の位置関係が合っているかわかりません!
・・・両方ともまぁ少しは大きくなったのかな。栽培がヘタですね。
肝心の本体の大きさですがシャトルとスリットで違いはあまり無いような気がします。
鉢から抜いてみます。
シャトルです。まぁいわゆる根鉢ですね。
鉢底で根が渦巻いている気がします。
一方スリット鉢です。
鉢底には確かにあまり根がないように見えます。
極めて写真がわかりにくいのですが、上がシャトルで下がスリット鉢です。
根鉢を崩す時に根が切れたりして、ちょっと写真ではわからないのですが、私の感想を以下にまとめますと
- シャトルの方は確かにスリット鉢に比べて根が長かった。
- 根の本数はほぼ同じような気がする。
- 根の総体積(≒重量)はシャトルの方が大きいような気がする。
- ただ本体の大きさはほぼ同じような気がする。
※あくまで「気がする」です。
という感じでしょうか。
というわけで、日の出丸の幼苗で1年間での観察では、根の長さに違いは出たものの「正直あんま違わないかな!」というところですかね。
結局のところ両方とも根鉢になっていたので、結果の観察が遅すぎたのかもしれません(半年で結果を観察したらまた違っていたかも)。
また上記にも関係しますが、サボテンは容積の少ない鉢を使用することが常識となっているので、そういった部分でもあまり違いが出ないのかもしれません。
あと玉サボテンは成長自体が観葉植物などと比べ遅いですしね。1年では違いも出にくいのかもしれません。
大型の柱サボテンなどで、より大きな鉢で試すと面白い結果が出るのかもしれません。
まぁというわけで、あまり実験条件がよろしくなかったかな!という感じでしたね!