昨日、出窓にあるサボテンを眺めながら、財津和夫さんの「サボテンの花」をなんとなく口付さんでいたのですが、ふと、
この歌の歌詞に隠された大変な秘密に気づいてしまいました。
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本記事内の歌詞は、著作権法第32条における引用を利用し、掲載しております(主従関係、明瞭区別性、必然性を満たすことによる)。
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「サボテンの花(作詞作曲:財津和夫)」は、90年代の大人気ドラマ「ひとつ屋根の下」の主題歌として(少なくとも私の年代では)有名かと思いますが、もともとは1975年2月5日に発売されたチューリップの通算8枚目のシングルで、1993年に財津和夫さんがソロ名義でリメイクされた曲になります(正確には、セルフカバー後のタイトルは「サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜」。詳しくはwikipediaへ)。
「ひとつ屋根の下」については、福山雅治さんが「あんちぅぁ~ん」と発言することと、チキチキマシン猛レースの犬の笑い方をみんなでするということだけ覚えています。肝心のストーリーは・・・どういうのでしたっけ。
というわけで(?)、「サボテンの花(作詞作曲:財津和夫)」はサボテン関連の歌で日本で一番有名な曲だと思われます!
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ちなみに二番目に有名な曲は、シンガーソングライターえみさんの歌う実生サボテンNo.1の愛知県春日井市のイメージソング「春日井サボテン大好き!~あなたの役にたてるのよ~」です!異論は認めません。
「人は見た目というけれど~心に花があればいい~♪」
いい歌詞ですね!
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というわけで、「サボテンの花」の歌の話題に戻りますが、
歌詞は下記のとおりです。
※歌のyoutubeへのリンクを張りたいところですが、著作権を守っている動画がありそうもなかったので省略します。ご自身で検索していてだければ幸いです。
財津和夫の「サボテンの花」からの引用
ほんの小さな出来事に 愛は傷ついて
君は部屋をとびだした 真冬の空の下に
編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物
シャボンの泡がゆれていた 君の香りがゆれてた
(サビ:略)
思い出つまったこの部屋を 僕も出てゆこう
ドアにかぎをおろした時 なぜか涙がこぼれた
君が育てたサボテンは 小さな花をつくった
春はもうすぐそこまで 恋は今終った
(サビ:略)
見ていただければわかるとおり、実はこの歌は「サボテンの花」というタイトルでありながら、サボテンというフレーズが2番まで出てきません。
まぁそのような歌は別に特別珍しいではないのですが、特徴的といえば特徴的です。
でもそんなことは特に気にせずに、20年以上私は口ずさんできました。
でもついに気づきました。昨日。
それは
1番の歌詞にある「シャボン」という言葉の違和感です。
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いわゆるシャボン玉のシャボンですね。シャボンとはポルトガル語で石鹸を意味します。
まぁそれはそれでいいんですが
でも皆さん、普段シャボンという言葉使いますかね?
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使いませんよね。
「手はちゃんとシャボンで洗いなさい!」って聞いたことありませんよね?
そんな普段使われない言葉が、あえて使われているわけです。
ちょっと不思議ですよね(歌ができた当時の1970年代はシャボンという言葉をよく使っていた・・・のかもしれませんが、それは無視します!)。
そして
ここでこんな重要な事実があることをご存知でしょうか。
「サボテン」という言葉の由来は「シャボン」であるということを!
ドーン!
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「サボテン」という言葉の由来について、1803年(享和5年)発行の「本草綱目啓蒙」(小野蘭山著)には下記のようにあります(参考:伊藤芳夫著「サボテン綺談」より)。
サボテント云フ草ハ、秘伝花鏡ノ仙人掌ナリ。コレモ、タタミニ油ノツキタル時、此物ヲ横ニ切リテ、磨スレバ油ヲスイトルニ依ッテ、シャボント云ウヲ、転ジテ俗ニサボテント云フ
つまり、サボテンが日本にはじめて入ってきた時、偶然にもその汁で油などを拭き取ったことから、サボテンという言葉は、石鹸=シャボンより転化したものということです。
伊豆シャボテン公園のシャボテンという言葉も、もちろんこのシャボンから来ているわけです。
ということで
おわかりいただけましたでしょうか?
そうです。
1番の歌詞には「サボテン」が登場しなかったとみせかけて、実は「シャボン」の中に、サボテンのニュアンスが入っていたのです!
なるほど!ザ・ワールド!
なんという素晴らしい歌詞。
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もちろん財津和夫さんにお聞きしたわけではないので、故意的なものかはわかりません!
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ちなみに、The Journal of Japanese Botanyに掲載されている論文によれば、サボテンの由来「シャボン」説を下記の通り否定しております。
August 1967 Journ. Jap. Bot. Vol. 42 No. 8, 253p, “藤田安二木: サボテンおよびイチヂクの語源考察”より引用
しかし,この想像は当たらないと思う。サボテンとはこのものの漢名仙人掌が書き誤まられて仙八掌となり, この誤字の発音がわが国に入ってサボテンとなったものであろう。現に台湾名には仙巴掌 Sian-pa-chiun があり, これは明らかにさらにこの仙八掌の書き改めである。したがってサボテンよりもシャボテンの方が原音に近い。
仙人掌はその形態にもとづく中国出自の名称であるから,サポテンは中国語を介してのわが国での新名というととができる。
これを読みますと、ああたしかにそう言われればそうかも、という感じもします。
ちなみに1940年に発行された農業世界編輯局 編の「仙人掌の作り方 : 培養秘訣」によれば、
- 1688年から1704年頃に発行された「書寫字考節用集」に、「覇王樹」という言葉を当てて、和名は「サツホウ」「サチラ」という言葉が出てくる。
- 1710年発行の伊藤伊兵衛著「増補地錦抄(六)」には「さんほてい」という言葉が出てくる。
- 1818年発行の岩崎常正著「草木育種」に「仙人掌」という言葉が書かれている。
だそうです。
ということで、ぶっちゃけ由来の本当のところはよくわからん。ということなんですが、世の中的には、シャボン説が未だに支持されているような気がします。
ちなみに、少し話は変わりますが、この「サボテンの花」の歌詞に出てくるサボテンとはどんなサボテンなんでしょうか。
これについては2017年にラジオ放送でご本人が以下のように語られています。
財津)実家のある福岡に戻ったとき、お袋が小さなサボテンを育てていて、そこに小さな赤い花がついていた。それまでサボテンに花が咲くなんて知らなかったので驚いた。それで、タイトルにしようと。タイトルから決めました。
というわけで「小さな赤い花」がヒントのようです。
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というわけで、赤い小さな花が咲くサボテンを我が家で探してみました。
まず、お母様が育てられていたということですので、お母様が熱心なサボテン趣味家でないとすれば、サボテンはいわゆる普及種でしょう。
そんな普及種で、まずは「赤くて小さな花」で思い浮かべるのは、マミラリアでしょうか。
うーん、でもマミラリアの花って、赤というよりかはピンクに近いのが多いですかね。たぶん。赤といえば赤なんですけど。
これはでかい花!
これは普及種じゃなさそう!
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というかんじでいろいろ考えていったのですが、ついに発見しました。
このサボテンとは
パロディア属 雪晃(Parodia haselbergii)
ではないでしょうか。
旧ブラジリカクタスの普及種の名品のこいつです!
花は赤く小さめで、普及種中の普及種であり、栽培容易であり、開花容易であり、開花時間多めであり、刺も痛くなく初心者にもおすすめの非常に可愛いサボテン。それが雪晃。
そして、歌詞を改めて眺めていると、、、
なんと雪晃である証拠を発見しました。
財津和夫の「サボテンの花」からの引用
(サビ)
たえまなくふりそそぐ この雪のように
君を愛せば よかった
窓にふりそそぐ この雪のように
二人の愛は 流れた
おわかりいただましたね。
「この雪のように」
これはまさに
雪晃を表しているに違いありません!!
謎が解けましたね!
というわけで、「サボテンの花」の歌詞のお話でした!
それっぽく書いてきましたが、本記事の内容は私が勝手に考えた仮説で、まったく真実ではないと思いますので、あくまでもジョークとして受け取ってください!
コメント
面白く読ませていただきました。
白く柔らかい棘に映える赤色。
私も財津さんが見たのは雪晃の花だと思います(^-^)
ふたばさん
こんにちは!ご来訪&書き込みありがとうございます(人´∀`).☆.。.:*・゚
やはり雪晃ですかね!意見が合ってうれしいです!
この歌のサボテンの部分って、サボテン以外だとしっくりこないんですよね。
本当にいい歌だと思いますね!
おはようございます、これは、
間違いないですね。
ずっと、雪晃であってほしいと思っていました。
うれしい
やぁさま
こんにちは!書き込み&ご来訪ありがとうございます!!
やはり雪晃ですかね!雪晃かわいいですもんね!
あんまり普段、雪晃の魅力について考えたことなかったんですけど、ほぼすべてを満たしている気がしましたね~!
わたしもうれしいです!(人´∀`).☆.。.:*・゚