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伊豆シャボテン動物公園(第5章:メキシコ温室編 2/3)

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というわけでシャボテン公園旅行記メキシコ温室編全3部作の第2弾になります。

第1弾はこちら

伊豆シャボテン動物公園(第5章:メキシコ温室編 1/3)
ということで第1章「シャボテン公園全体編」は↓ 第2章「南アメリカ温室編」は↓ 第3章「アフリカ温室編」は↓ 第4章「森林性サボテン・マダガスカル温室編」は↓ というわけで、サボテンメインの温室! メキシコ温室編です!!!!! 実は1記事で...

 

というわけでスタート!

 

オプンチア・大丸盆(Opuntia robusta)。写真のやつはかなり体調は悪そうです。綺麗な円形になる大型節のウチワサボテン。街中でも露地植えでたまに見ることがありますね。一見刺はなさそうに見えたりもしますが、しっかり生えている場合があるので注意です。なお、Opuntia robustaではなく、Opuntia grandis majorを「大丸盆」とする説もあり、ここらへんは謎。

 

レウクテンベルギア・晃山(Leuchtenbergia principis)。アガベのようなサボテン。海外での通称も「Agave Cactus」。成長は遅め。レウクテンベルギア属の一属一種。一属一種でかなり特殊な見た目から、随分と不思議な進化を遂げたのかと思いきや、フェロカクタス(Ferocactus)などとも交配できたりします(=通称フェロベルギア)。写真のやつの体調は悪そう。

 

アガベ・テキラーナ(Agave tequilana)。通称ブルーアガベ。その名の通り青いアガベでご存知お酒の「テキーラ」の原料。6~10年ぐらい育ったテキラーナの葉っぱを切断して、残った茎の塊を熱してあーだこーだするとテキーラになるらしい。ちなみに、このアガベ・テキラーナ以外のアガベでもお酒は作ることはもちろん可能なのですが、それらはテキーラと呼んではいけないらしく、それはメスカルと呼ぶようです。

 

アストロフィツム・般若(Astrophytum ornatum)。ランポー玉が好きだけど、やっぱりサボテンは刺だな!と思ったときに最適なサボテン。身体に星がないやつ「青般若」や刺が金色の「金刺般若」、ランポー玉との交配である「盤石」などがあります。歳を取ると縦に伸びていきます。

 

オプンチア・象牙団扇(Opuntia microdasys v.albispina)。白桃扇という名前のほうが有名かもしれません。ちなみに刺が金色になるとオプンチア・金烏帽子(Opuntia microdasys)になります。ものすごい可愛い見た目ですが、身体中が芒刺(短い細かい刺)で固められていますので、特にお子様など注意が必要です。

 

カルネギア・弁慶柱(Carnegia gigantea)。柱サボテン界のトップ。いわゆるそこらへんのイラストの柱サボテンは、おそらくこの弁慶柱がモデルであり、西部劇でみるやつ。1986年に暴風で吹き飛ばされた弁慶柱の背の高さは、23.8メートルで世界最大だったそうです(ちなみに現在生きている最も背の高いサボテンは武倫柱(Pachycereus pringlei)だそう)。海外では「Saguaro(サグワロ)」と呼ばれてます。巨大になることから、成長が早いかと思いきや全然遅いですし、なんとなく寒さにも強そうに見えますが、全然強くないです。

 

エキノカクタス・綾波(Echinocactus texensis)。旧ホマロケファラ属で、ホマロケファラ属だったときは一属一種。形よし、刺よし、花よし、実よしの素晴らしいサボテン。「剣峯」と呼ばれる刺が長いものがあったり、刺の幅が広いもの、狂刺のものなど色々なバリエーションがあります。唯一の弱点は「綾波」でWEB検索しても、薄水色の髪をしたショートカットの可愛い女の子しか出てこないこと。

 

フェロカクタス・鯱頭(Ferocactus cylindraceus)。刺もの界のトップ集団。なんとなく鯱頭といえば「赤刺」が特徴なようなイメージがありますが、刺が白だったり黄色だったり、真っ直ぐだったりすごく曲がっていたり、いろいろな鯱頭がいます。刺の色は気候の違いで変わると聞いたことがありますが本当かどうかは私にはよくわからんです。

 

エキノカクタス・神竜玉(Echinocactus parryi)。エキノカクタスチームは、勇者が金鯱で、戦士が巌、賢者が太平丸で、魔法使いが大竜冠で、新竜玉は僧侶あたり。刺や形、全部含めてバランス型。そんなイメージ(あくまで私見です)。大竜冠に似ていますが、大竜冠ほど難物ではないです。

 

フェロカクタス・王冠竜(Ferocactus glaucescens)。青い肌に金色の刺の素晴らしいルックス。しかも育てやすく強健で成長も早く縦にも伸びにくい文句の付け所がないサボテン。花は黄色一色で地味めですが、なぜかその蕾は赤っぽい部分もあり結構オシャレ。英国王立園芸協会のガーデンメリット賞受賞サボテン。

 

フェロカクタス。刺なし王冠竜(Ferocactus glaucescens v.inermis)。上述の王冠竜の刺なしう種。100円ショップで見かける安価なものですが改めて再評価したい素晴らしいサボテン。あらゆる人におすすめ。幼苗はたまに細くて長い刺がいくつかついていることがありますが、いつの間にか刺がなくなっていきます。

 

ステノケレウス・オルガンパイプモドキ(Stenocereus montanus)。面白い和名ですが、「モドキ」とついている以上、オルガンパイプサボテンというのが存在しており、それはStenocereus thurberiで和名は大王閣というやつです。大王閣は極めて有名なのですが、このモドキの方はかなりレアな気がします。

 

フェロカクタス・文鳥丸(Ferocactus hystrix)。成長が早めのフェロカクタス。主張がすごいフェロカクタスの中で、あんまり特徴はない気がします。巌とならんで、海外では「ビズナガ」と呼ばれることがあり、その身体はキャンディーや薬やヤギの餌に、その果実は、飲料やお酒に、花の蕾は食用に、といろいろ有用なサボテンです。

 

フェロカクタス・日の出丸(Ferocactus recurvus)。100円ショップでもたまに。かつては日の出丸がFerocactus latispinusで、真珠がFerocactus recurvusでしたが、どうやら同じものになった様子。とても魅力的な見た目のサボテンです。大きく育つにしたがって栽培が気難しくなると言われています。

 

フェロカクタス・黄彩玉(Ferocactus schwarzii)。とりあえず刺だ!刺だ!というフェロカクタスが多い中で、かなり地味めな存在の黄彩玉。ですが、むしろ個人的には大きめのサボテンで刺の主張が少なめなものは逆にかっこいいと思っています。むしろフェロカクタスの中で一番好きなぐらいです。

 

オプンチア・天人団扇(Opuntia engelmannii)。海外では「牛の舌サボテン」とも。ザ・ウチワサボテンであり、あまり特筆することがないです。なんとも特徴がないのが特徴でしょうか。

 

テロカクタス・和光丸(Thelocactus bicolor ssp. bolaensis)。大統領系テロカクタス。100円ショップでもたまに。赤と白のトゲとテロカクタス特有のピンク紫っぽいの花が魅力的。ちなみに大統領(Thelocactus bicolor)との違いはよくわかりません。

 

コリノプンチア・武者団扇(Corynopuntia invicta)。グルソニア属(Grusonia)に入って出たり、性質はむしろミクロプンチア属(Micropuntia)に近いとか、いやいや実はエキノケレウス属(Echinocereus)に近いだとか、いろいろ面白いサボテン。凶悪系球形ウチワ。その見た目からはすぐに茎が外れてしまいそうですが、テフロカクタス属(Tephrocactus)よりかは丈夫な印象。あと、なんとなく寒さに強そうな感じをしていますが、それほど強くはないです。

 


パキケレウス・武倫柱(Pachycereus pringlei)。前述の弁慶柱と似た柱サボテンで、2大巨頭。弁慶柱も武倫柱もバハカリフォルニアのソノラ砂漠付近で見ることができますが、見分け方としては、武倫柱は弁慶中に比べて根本付近から枝分かれしやすく、枝自体も曲線(イラストで書く柱サボテンの腕みたいなやつ)ではなく、どちらかというと直線チックです。性質も丈夫な印象。

 

アガベ・黒厳竜(Agave titanota ‘Not-No1’)。チタノタだのNo-1だのオテロイだのFO-076だの農大だの白だの青だの…という昨今のチタノタ分類問題は他の詳しい方にお任せするとして、とりあえずこのラベルの「Agave titanota ‘Not-No1’」を読む限り、No1でないことだけはわかります。ちなみに伊豆シャボテン動物公園は、農大名誉教授だった故・近藤典生博士が指導・監修されたそうで、標本とも言える「ゲンリュウ 厳竜 Agave titanota ‘No.1’」があるそうなのですが(参考:アガベを勉強中! アガベ ナンバーワン 農大 巌流 厳竜 白鯨 姫厳竜とは? チタノタ と オテロイ ? – ブルックリンライフハック)、私は見つけられませんでした。

 

ステノケレウス・入鹿(Stenocereus eruca)。旧マカエロケレウス属(Machaerocereus)。珍しい這いつくばるサボテン。海外では「地を這う悪魔のサボテン」とも。歳をとるごとに、成長点が伸びて、根本が枯れていく性質のため、結果として動いているように見えるやつ。ちなみに、入鹿(イルカ)という和名は、学名のerucaからだとか、首を落とした蘇我入鹿がその後、床を這い回ったからだとか。

 

パキケレウス・福禄寿(Pachycereus schottii f.monstrosus)。旧ロフォケレウス(Lophocereus)。パキケレウス・上帝閣のモンスト種であり、こちらのほうが有名。いい和名だとともいます。海外では「トーテムポールカクタス」。成長は遅めですが、寒さには結構強め。花が咲かない(と言われている)ので、上帝閣の実生がたまたまモンスト化するか、挿し木で増やしていく必要があるようです。

 

グラプトペタルム・キングスター(Graptopetalum bellum)。タキタス属としてのほうが有名かもしれません。大きくて鮮やかなスターのような赤い花が咲きます。グラプトペタルムといえば朧月などが有名ですが、あんまり似ていません。花の形は似ているかな。

 

フォークイエリア・オコティーヨ(Fouquieria splendens)。この和名はいったい何かということなんですが、どうやら自生地での現地の呼び名「ocotillo(オコティロ、オコティーヨ)」ということらしいです。花はサラダにいれて食べたり、茎は生け垣にしたりするそうです。花は真っ赤で、葉の緑とのコントラストがとても綺麗です。

 

キリンドロプンチア・呉竹(Cylindropuntia californica)。ラベルにはCylindropuntia parryiとありますが、Cylindropuntia californicaがアクセプトネームのよう。凶悪系。海外では「スネーク・チョラ」と呼ばれるように、蛇っぽいひょろなが系。

 

アガベ・蒼竜閣(Agave decipiens)。フロリダ沿岸の固有種だそうなのですが、スペイン、インド、パキスタン、南アフリカなどで帰化しているそうです。ルックスとしては、アガベ・アテナータやアガベ・ベネズエラ系に近いと思われますが、なかなかレアなアガベな気がします。

 

フェロカクタス・赤鳳(Ferocactus stainesii)。赤刺の美しい強刺類。自生地の美しく成長した赤鳳は、もはやマミラリア猩々丸のような、赤い衣をまとっているが如く素晴らしく美しいです。栽培はフェロカクタスの中では容易な方ですが、茶膜が上がってくるスピードが早いと言われています(写真でもそんな感じですね)。

 

オプンチア・降魔の剣(Opuntia dejecta)。旧ノパレア属(Nopalea)。ワクワクする和名ですが、降魔の剣とは不動明王が持っている悪魔を降伏させるという剣とのことです。その名の通り、刺も強烈です。樹木型で垂れ下がるように成長する茎が特徴です。

 

アガベ・吉祥天(Agave parryi)。いわゆるパリー。耐寒性高めの美しいアガベ。子株はあんまりでない感じです。ちなみに吉祥天とは、wikipediaによると、仏教の守護神の一人で、鬼子母神の子供で毘沙門天の妻とのこと。アガベを眺めているだけで勉強になりますなぁ。


ダシリリオン・白亜竜(Dasylirion wheeleri)。白っぽい葉っぱが魅力のダシリリオン。花の色で雌雄を判断することができ、白が雄で、ピンクが雌とのこと。なんとなく学名の「wheeleri」というのが「白」を連想しますが、実は人の名前由来でなんにも関係がないです。案外寒さには弱いそうです。英国王立園芸協会のガーデン・メリット賞受賞植物。

 

アガベ・吉祥冠(Agave potatorum ‘kishokan’)。アガベ・ポタトルムの実生選抜品種とのことです。斑が入った錦のほうがよく見る気がします。吉祥天と違って、なんとなく柔らかく、寒さには弱めなので注意です。子株はよくでます。ちなみに吉祥冠という言葉はwikipediaにはありませんでした。

 

ボーカルネア・銚子蘭(Beaucarnea gracilis)。かつてはノリナ属。後述のトックリラン(徳利蘭)と似てるやつ。銚子蘭のほうがどちらかというとレアめ。ちなみに「銚子」とは地名ではなく、お酒を注ぐ道具です。なお、「銚子」と「徳利」の違いは↓だそうです。

  • 徳利:口の近くが狭くすぼみ、胴が膨らんだ形をしている、酒などを入れておく容器
  • 銚子:金属製で長い柄がついた、酒を入れて盃(さかずき)に注ぎ移すための容器

勘違いされてる?「徳利」と「銚子」の違い – スッキリ

ボーカルネアを眺めているだけで勉強になりますなぁ。

 

ボーカルネア・徳利蘭(Beaucarnea recurvata)。いわゆる有名なトックリラン。100円ショップでも見かけます。ボーカルネア属は花は雌雄異株です。枝を挿し木することもできますが、実生と違いコーデックス化はしないので注意です。強健で露地植えも地方によっては全然いけます。

 

マミラリア・望月(Mammillaria candida)。マミラリア・望月はたしかMammillaria ortiz-rubionaだったのですが、どうやら雪白丸(candida)に統合された様子。区別つかない系白マミ。これの少し赤刺verが「満月(Mammillaria candida var. rosea)」で、より赤刺verが「桜月(Mammillaria candida ‘Roseispina’)」だそうです(写真2枚め)。

 

アガベ・アリゾニカ(Agave arizonica)。Agave chrysantha と Agave toumeyanaの交配種のようで、耐寒性はそれなりに強めで露地植えでも。日本にはいろいろなパターンのアリゾニカが導入されているようで、いろいろ見た目が違う様子。

 

ネオブクスバウミア・大鳳竜(Neobuxbaumia polylopha)。写真のラベルには月宮殿とありますが、どうみても月宮殿ではないので大鳳竜だと思います。黄緑が鮮やかで稜が多く(学名のpolylophaは稜が多いことを意味します)クッキリしていてぶっとくてとても美しい優良な柱。円柱形柱サボテンの中では、珍しい赤い花を咲かせます。

というわけで2/3終了です!

次回メキシコ温室編最後!

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