先日(と言うか結構前ですが)、「パキポディウムでも植え替えするかな~」って思って、春からバルコニーに出しっぱなしの実生グラキリス(Pachypodium gracilis)を観察してたんですね。
そしたらなんだか一つのグラキリスに黒い穴が開いていました。
こんなんです。
原因は相変わらずわかりませんが、腐りが入っていることは間違いなさそうです。ということで手術しなければなりません。
カッターでちょっとえぐったところです。もっとえぐらないとダメそう。
まだまだか。
う~ん。イライラ。
スパーン!
ちまちまほじくるのも面倒臭くなりましたので、一気に切りました。
黒い部分がなくなれば、もう安心でしょう。
断面には、ルートンを塗っときました。
切断面に対しては、ダイセンとかベンレートとか硫黄花とか石灰とか塗るのが良いらしいんですが、最近はもっぱらルートンです。ルートンに殺菌効果があるのか不明ですが、とりあえず今のところ失敗したことはないです。
あとは、2こ前の写真の右上に写っている切った先端の部分がもったいないので、これを接ぎ木してみます。
パキポディウムの接木と言えば、栽培難易度が少し高い恵比寿笑い(Pachypodium brevicaule)などをラメリー(Pachypodium lamerei)に接ぐのが有名でしょうか。
例えばこんな感じ。
あとは綴化したものを接いだり。
というわけで、パキポの接ぎ木は珍しいものでもありません。
ということでやってみます。初めてですけど。
こちら、実生のゲアイー(Pachypodium geayi)です。ラメリーにそっくりだけど、違うやつです。確か違いは、葉っぱのザラザラ具合いだった・・・でしょうか。
というわけで、こっちもスパーン!
維管束形成層を撮影したつもりが、白飛びして全く写ってないですね。
そんで合体です!おおよそ切断面が同じ大きさであれば、維管束形成層は合うと思います。なお、接ぎ木の理論については以下を参照のこと。

本来なら、穂木と台木がずれないように糸掛けするところですが、面倒くさいので瞬間接着剤を使いました(もちろん周りにですよ!)。
こんなかんじ。1分ぐらいは抑えておきます。これで接木完成。この後せっかくなので植え替えしました。あとは神様に祈るだけです。
そんで約1ヶ月後・・・。
どーん!
葉っぱ伸びてる!ということは成功ですかね
グラキリスのような基部がぷっくり膨らむような植物は、上の方の枝を挿し木しても、実生のそれと違ってあまり膨らむことはない、と言われますが、接木はどうなんでしょうね(多分膨らまない気がしますけど)。
ちなみに黒い穴が空いていた方も葉が出て元気になりました。
というわけで、頑張れグラキリス!