Nathaniel Lord BrittonさんとJosef Nelson Roseさんという、サボテン業界では知らない人はいないであろう植物学者がいます。
いわゆる「ブリットンとローズ」という方々で、非常に沢山のサボテンの学名の名付け親にもなっており、また、今日のサボテン分類学の礎を築いた方々です(左がブリットンさん、右がローズさん)。
By 不明 – http://rptsweb.tamu.edu/Pugsley/Britton.htm, パブリック・ドメイン, Link
By Zeitschrift für Sukkulentenkunde – http://www.nybg.org/bsci/herb/cactaceae1.html#Rose, パブリック・ドメイン, Link
そんなお二人がおおよそ100年前の1919年に書かれた「The Cactaceae(サボテン科)」という素晴らしい本(モノグラフ)があります。
その時代、混乱状態にあったサボテンの種類をまとめあげ、サボテンを124属・1255種に分類した革命的な本です。詳しくはThe Cactaceae – Wikipediaをご参照下さい。
ちなみにこの「The Cactaceae」ですが、上記のように再現本が作成され、amazonなどで販売されていたりしますが、この本自体の著作権はもうすでに切れており、WEB上で自由に読むことができます(en:britton_et_rose [Cactus Biblio])。ありがたいことですね。
話はそれますが、この「The Cactaceae」の挿絵(ボタニカルアート的なやつ?)がかっこよすぎるので、我が家では印刷して額に入れて玄関に飾ったりしています。
さて、
この本、もちろん100年前の本ですので、掲載されている写真はモノクロ(白黒写真)なわけです。
このように。
もちろん白黒でも十分な内容なのですが、できることならやはりカラーでみたいですよね!
というわけで、現代科学を用いて白黒写真をカラーにしたいと思います!
その技術はこれ!
「ディープネットワークを用いた大域特徴と局所特徴の学習による白黒写真の自動色付け」
です!
この技術は昨年の学術論文で発表されたものらしく、テレビ等でも採り上げられていたようですので、ご存じの方も多いかもしれません。
論文を書かれた方の説明によりますと・・・
ディープネットワークを用いて白黒画像をカラー画像に自動変換する手法を提案する.提案手法では,画像の大域特徴と局所特徴を考慮した新たな畳込みネットワークモデルを用いることで,画像全体の構造を考慮した自然な色付けを行うことができる.
なるほど!さっぱりわかりません!
さっぱりわかりませんが、WEBサービスとして公開されていたので早速試してみました!(Automatic Image Colorization・白黒画像の自動色付け)※20220109リンク更新
さてさて
100年前のサボテンは色鮮やかに蘇るでしょうか!
・・・それじゃあスタート!
サボテンと人物。
↓カラー化
空と大地と人物の色付けがすごいです。ほぼ完璧ではないでしょうか。
20220109追記:↓は更に人工知能で空を描画し、3D化したもの。
巨大なウチワサボテン。
↓カラー化
特に右の木など幹と葉がきちんと色分けされているように見えます。
サボテンの原産地。
↓カラー化
ちょっと黄色に偏りがちですが、ほぼ完璧な色使いだと思われます。
でっかいサボテン。
↓カラー化
空、海、緑が綺麗に分別されているように見えます。左の写真のアガベが緑だったらより良かったですね。
背景黒の写真はどうか。
↓カラー化
う~ん。あまり。黄色にとりあえうずなるのかな。
絵と写真。
↓カラー化
やはり絵は難しそう。右の写真はサボテンを緑と判断しているところがすごい。
サボテンの花
↓カラー化
とりあえず黄色に近くなるようですな。
というわけで、どうでしょうか!
なかなかすごい技術なのではないでしょうかね!
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