サボテンたちを蝕む恐怖の不治の病。
感染したら最後。土や鉢ごと焼却するしかないという、サボテン業界最大の大悪魔。
しかも感染しているか否かが外見からはよくわからないという脅威のウイルス!
そう、それは・・・
今回はそんな恐ろしい病気、サボテンXウイルスについて情報をまとめてみます。
ちなみに、サボテンXウイルスは英語で書くと”Cactus Virus X (CVX)“だそうです。”X”の響きがかっこいいですね。”X”が何を表しているのかわかりませんが、たぶんX指定ということで18歳未満禁止なのでしょう。なお、「ウイルス」ではなく「ヴァイラス」と発音すると、玄人っぽく聞こえるのでお勧めです。
※CVXについては「OANAの万象写真館」様の1.サボテン・多肉植物のVIRUS(ウイルス)について(2008/12/31)にとても詳しく書かれております。症状の写真も掲載されておりますので、ぜひご参照ください。
さて、まじめにまとめです。
- ウイルスの学名:Alphaflexiviridae科 Potexvirus属 Cactus virus X種
- RNAウイルスで長さ520nm程度、直径13nm程度。
- 耐熱性は80~85℃、耐保存性は20℃においては130日以上、4℃では400日以上。
- 感染は樹液の接触による。昆虫等によるウイルス媒介【vector】は報告されていない(昆虫の食害時に樹液の接触がある場合は別)。
- 種への感染はない。
- 多くの種類で発生する。ケレウス、オプンチア、ジゴカクツス、ヒロケレウス、エキノプシス、アストロフィツム、エピフィルム・・・などなど。
- 現代科学では治療方法はない。破棄するのみ。苗はもちろん、土や鉢まで破棄しなければならない。
- 感染しても症状が出ないこともあるし、どーんと出ることもある。時と場合による。症状が出なくてもウイルスがいなくなったわけではないので注意が必要。
- 主な症状としては、淡い縞模様や斑点などの病斑(輪郭が不鮮明なのが特徴)、へこみ、黄化、萎縮、変形、奇形化、壊死など。
- 症状は、サボテン本体をはじめ、刺、アレオーレ、花、蕾、実などあらゆる場所に現れる。
- ストレス下(たとえば強光線下とか)だと症状が出やすいらしい。
色々勉強していきますと、CVXの蔓延の主な原因のひとつに接ぎ木があるようです。接ぎ木の台木が、もともとCVXに感染しており(Cereus系は感染しやすい)、接ぐためにカットした刃物に感染、接いだ際に穂木に感染。感染した刃物で次の台木を切り、台木に感染。穂木に感染。以下ループ。という感じらしいです。
なお、刃物の消毒はアルコールではダメで、第三リン酸ナトリウムで消毒しなければならないようです。
我々にとって重要な事は、自分のサボテンがCVXに感染しているかをどうやって判断するかです。CVXなのか、日焼けなのか、冷害なのか、虫害なのか、モンストなのか、斑入りなのか他の病気なのか、もはや素人にはほぼわかりません(確実な日焼け、確実な斑入り、などはかろうじて判断できるかと思いますが、確実なCVX感染というのは判断できるとは思えないです)。
うちの鬼面角。なんとなくまだら模様がみえるような気がします。農薬のスプラサイドを霧吹きでかけた次の日からこうなったような・・・。これはウイルスでしょうか。スプラサイドのシミ、もしくは薬害でしょうか。
100円ショップ出身の新天地。アレオーレの下のまだらな薄い黄色い部分。ウイルスっぽい。
セレニケレウスのアイーダ。黄色い斑部分。冷害か、日焼けか、ウイルスか、もともとそういうものなのか。
サボテン(CVX)ではないけど、ビフルカツムの葉っぱ。モザイクウイルス?
これもサボテン(CVX)ではないけど、セロームの葉っぱ。これはハダニか?
というように、まぁ、わからんです。
ではどうしたらよいのか。
ギムザ染色だの電子顕微鏡dip法だの、ウイルス診断法は存在するのですが、これらは素人ができるレベルではありません。もっと簡単に、確実に、CVXを判断する方法はないのか。
そんなこんなで、難しそうな英語のページを辞書を片手に読んでいくと、CVXの診断について以下の様なことが書かれていました。
以下転載
CVXはヒユ科、アカザ科、ツルナ科の一部の種によく感染するので、実験的に感染させて症状をみればよい。特にアカザ科のキヌアは全身に斑点がでて、診断用宿主としてはおすすめ。
・・・
難易度高すぎです。
というわけで、私はCVXを厳密に駆逐することは・・・諦めました。
今現在の私の知識で、疑わしきものをすべて焼却処分していたらうちのサボテンが半分ぐらいなくなります。ウイルスと言ったって、エボラウイルスみたいなのじゃなくて、体調悪い時にでてくる口唇ヘルペスウイルスみたいなものなのでしょう!たぶん(いつもの私理論なので信じてはダメです!)。
それに、強ストレス下で、症状が現れやすいのであれば、「症状が出てきたら栽培環境が悪い」というバロメータにもなるかもしれませんし!(やはりいつもの私理論なので信じてはダメです!)
※もちろん、感染が広がらないよう、刃物や道具を一回一回消毒したり、明らかにおかしいものについては隔離したり、害虫対策をきちんとしたり、株を購入する時もよーく観察したり、できる限りの防御はしていくつもりです。
でも、疑わしきものを「無情」に切り捨てることができること、これが上級栽培家の最低条件なのかもしれませんね。後何年かしたら、自分もそういうことができるようになるのでしょうか。
参考文献
コメント
人にうつるサボテンウィルスやつもあるよね
それに侵されるとサボテンをながめてにやにやしたり
金銭感覚がマヒするとか
KOHさん、こんにちは。
ご来訪&書き込みありがとうございます!
そうですね!私もそのウイルスキャリアですね。
このウイルスは人に移してもいいですかね(人´∀`).☆.。.:*・゚