サボテンは年老いたり、生育環境が悪かったりすると「木質化」をおこします。いわゆる「茶膜が上がる」などといわれているようです。観賞価値が下がるため(私はそうは思いませんが)、胴切りをしたりすることもあるそうです。
下写真は年老いたのでしょうか。サボテンではありませんが、ユーフォルビアのバリダです。100円でした。茶膜具合が芸術の域に達しています。
下写真は、茶膜王ことノトカクタスの青王丸です。数センチしかないのに下半分が茶色くなりつつあります。
下写真は成長環境が悪い例でしょうか。フェロカクタスの江守さんです。ずいぶん長いこと店の片隅で誰かが買ってくれるのを切望していたような感じです。
下記写真は県内某所のとても立派なウチワサボテン(単刺団扇?)です。もはや完全に木です。
され、「木質化」とは「サボテン多肉植物330種-楽しみ方・育て方のコツ」によれば、以下のとおりです(要約)。
- 強い乾燥地では、サボテンは水分を蒸発させないように葉緑素を木質化させる。
- 理由は、葉緑素が多いとそれだけ水分を根から補給しないと生きていけないから。
そうなのです。「木質化」とは彼らの苦労と努力の証なのです。生理現象であり、病気ではありません。「風の谷のナウシカ」でいうところの
と同じです(!?)。
というわけで、ピカピカの緑色の綺麗な株ももちろんいいのですが、私は茶膜が上がった株も嫌いではありません。上の写真のバリダも江守も植え替えまして、江守はこの極寒のなか新刺を出しはじめ、バリダは子供をモリモリ出し始めました(いまは断水中ですが)。
日本的に言うならば「趣深い」という感じでしょうか。美術品にはない「生き様」が感じられませんでしょうか。
※
とはいえ、茶膜が上がるのは植物にとって劣悪な環境の場合が多いということですから、植物栽培をする者として、自己の栽培環境を反省し、見直し、改善することを努めなければならないことは言うまでもないですし、胴切りしないとうまく成長しない場合もあるでしょうから、木質化が顕著なのであれば注意深く観察する必要があるように思います。
ちなみに、某園のおじさまによれば、茶膜を隠そうと深植えすると、茶膜が悪化する傾向にあるようです。へー。
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