伝説のパキポディウム・ルーテンベルギアナム(Pachypodium rutenbergianum)接ぎですよ!
なんで伝説かって言ったら、それは私が見たことないからです!
パキポディウム・ルーテンベルギアナムといえば、パキポディウムの中でもトップクラスのかっこいい学名を持ちながら、パキポディウムの中でもトップクラスで見た目が面白くないという超マニア好みのパキポディウムです。
ちなみに、和名は「鬼に金棒」です。「象牙宮(グラキリス)」や「シバの女王の玉櫛(デンシフローラム)」という他のパキポのクールな和名に比べて、その投げやり感は半端ないです。
上の写真は、私のフォトアルバムから探しに探してやっと見つけた、いつかのルーテン先生の写真です。数年前に種を蒔いたものですが、ラベルの雑さからも我が家のルーテン先生の扱いがわかります。
そんなルーテンベルギアナム、パキポ接木の台木として役に立つのでしょうか・・・というお話。
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ことの始まりはこちら。パキポディウム・グラキリス(Pachypodium rosulatum ssp. gracilius)。数年前に種を蒔いたもの。なお、私は未だに普通のロスラーツムとグラキリスの違いがわかりませんので、これが本当にグラキリスかはわかりません。蒔いた種のラベルを信じるしかないです。
というわけで、(毎年恒例行事として(?))冬越しに失敗して腐りました!腐ったワインみたいな臭いがします。いつものことながら発見が遅く情けない限りです。
例によって救出のため切断していきます。何でしょうこの穴は。ブラックホールのようです。
全然だめですね。
感触はスポンジです。
じゃあ分枝した小枝の方は・・・これもだめかな?
っと、ここまで切ればぎりぎりオッケーそう!
というわけで、この子を挿し木して・・・・ってのは体力が持ちそうにないので、接木します。
パキポの接木の台木と言えば、パキポディウム・ラメリー(Pachypodium lamerei)あたりが有名なのですが、こういうときにいい感じのラメリーがいないんですね。
というわけで、近くにいたルーテン先生に白羽の矢がたったというわけです。ルーテン接ぎとか私はみたことがないのですけど、同じパキポディウムなのでいけるんじゃないですかね?ってことで。
というわけで、こちらがルーテン先生。
ちなみにラメリーもルーテン先生も、パキポディウム属の中のパキポディウム亜属の中のレウコポディウム節にいる植物で、おそらく遺伝的には似ているとおもうので、いけるんじゃないかと思うんですよね。
用意しますは、瞬間接着剤。とカミソリ。
ルーテンの頭をカット。すごい水分がでてきます。拭き取ったほうが良いことは経験上わかりますので、ティッシュの毛細管現象で吸い取ります。
そんで合体。こんなかんじ。太さピッタシ。回りを接着剤で固めます。
で1~2週間後
・・・
どーん!
んー、とりあえず枯れてない!
さてさて、重要なことは、ちゃんと活着してるかのか否かということなんですが、活着している気がします。
というのも、接ぎ木して1週間ぐらいは、実は穂木がすごいぺちゃんこだったんですが(写真は、あ~接木失敗したな!と思って撮らなかった)、今はぺちゃんこじゃないんです。穂木が水を吸ったんです。私にしかわからないかもしれませんが。
比較画像。左が接ぎ木してすぐ、右が1~2週間ぐらい。
張りが出たのわかりますかね?あと葉っぱも増えてますよね。
ということで、活着してると思うんですがどうでしょう。ちなみに台木の脇芽はさっさとカットしました。
というわけで、どうせ無理だろうと思っていましたが、なかなかいい感じ!
ところで、活着したのはいいとして、なんでルーテン接ぎの事例がWEB等で見つからないんでしょう。面白い見た目になりそうなのに不思議です。。。
ちなみに、今回は水平にルーテンの頭をカットして接ぎましたが、もしかしたらアデニウムの接木のようにV字カットして、穂木は先尖らせて、合体後テープぐるぐる巻いたりしたほうほうがいいかもしれません(場合によっては穂木に袋かぶせるなどして湿度保ったほうがいいかも?)。想像ですけど。
なんにせよ、今後どのように成長していくの期待ですね!
ちなみに、昔、ラメリーやゲアイーに接いだやつもちゃんと生きています。
理論はよくわからんですけど、ラメリー・ゲアイーに接ぎ木したパキポディウムは、開花時期がとても早まる気がします。
ウチだけですかね?
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