というわけでサボテン界屈指の発芽率の低さを誇る太平丸系エキノカクタス(Echinocactus horizonthalonius)。
実は昨年だか一昨年だかにも、種を蒔いたことがあったのですが、20粒中1粒だけ発芽して、しかも数日後に消えるという惨敗でした。うーむ。
ということで夏も過ぎた種まきに適さないこの時期に、一念発起して怒りのリベンジです!
いろいろ調査しますと太平丸の種子は硬実種子というもので、その名の通り、殻が固くて水を吸収しにくいということらしいです。自然界では雨などで転がって殻に傷がつき、水分が中にはいるんだとか。
では、我々栽培家はどうすればよいのかという問題なのですが、(PDF注意)太平丸種子の発芽促進法 – たにさぼ実生倶楽部(このPDFを執筆されたのはさぼちゃんマイラブ様です)様によりますと、10規定の塩酸に20分漬けると、殻が酸で程よく溶けて発芽率が良くなるということなのです。なるほどです。
ただこの方法は問題があって、10規定の塩酸自体は印鑑持参で薬局で入手自体は可能なようなのですが、如何せん相当な濃度ですので、作業中のトラブルも然ることながら、不要になったときの廃液処理が大変になるはずなのです。
どうしよう。
ということで今回は塩酸を諦めて、いろいろ検索してみた結果楽に手に入るクエン酸で処理しました。
というのも「たにさぼ実生倶楽部」様の掲示板にて、サボ一郎様が下記のようなコメントを残されていたのです(掲示板ゆえ、当該コメント部分のURL引用ができませんでした)。
また、太平類の実生には、たにさぼ実生倶楽部にも掲載されている、さぼちゃんだいすきさんの太平丸種子発芽促進法を活用させていただきました。
塩酸が入手不可能だったためクエン酸で処理しています。
コップに少量の水と、溶け残るくらいの多めのクエン酸を混ぜ、種を20分程度浮かべたところ、発芽率はほぼ100%でした。
ほうほう。こいつは安全そうで、廃液の心配もありません。
というわけで早速買ってきました。
用意しますは、ホームセンターで買ってきたクエン酸とモロゾフのプリンの器です。モロゾフでなくても良いとおもいますが、プリンが美味しいのでモロゾフにしましょう。
プリン容器に水とクエン酸を大量に入れます。ここがポイントでクエン酸100%を目指します。もういくら混ぜてもこれ以上溶けない!というぐらい入れます。
そうしたら、種をその液体に漬けます。私は100円ショップで売っていたジップ付きの小袋を使用しました。液体を漬ける時間は20分です。
クエン酸は弱酸なので20分では意味がない、1晩漬けないとダメという方もいらっしゃいますが、上記掲示板でサボ一郎様が20分で結果を出しておられたので20分です。深いことは考えません。
20分経過しましたら、クエン酸から取り出し水に漬けます。その後一晩、ヒーターの上で30度ぐらいに保ちました。なぜならサボテンと写真 久しぶりに発芽しました。太平丸。ペクチニフェラも。様にて、2日半、お湯につけたら発芽が良かったと書かれていたからです。2日半を待つ心の余裕がありませんでしたので一晩です。
こんなかんじ。
そんでその後に、一般サボテン培養土の上に赤玉土細粒を敷いて腰水して種まき。
・・・そして2,3週間後。
ドーン!
日本の長刺太平丸:30粒中10粒発芽。(写真の上側)
海外から輸入の太平丸:10粒中6粒発芽。(写真の下側)
日本の小平丸:30粒中18粒発芽。(写真の上側)
日本の雷帝:20粒中16粒発芽。(写真の下側)
日本の小平丸:30粒中19粒発芽。(写真の上側)
なかなか良い結果なんでないかい!?
とはいえ、確かに以前の惨敗から考えればとても良い結果にみえるのですが、太平丸の実生は苦手だ: アレオーレのブログ様によれば、なんの処理をしなくても発芽率が50%を超えるとありますので、クエン酸などは実は関係なく(私の今回の場合は)、たまたまなのかもしれません。
ま、いいですかね!とりあえず。
ということで問題はこの後、無事に育ってくれるかですな。頑張れ太平丸系!
コメント
私も多肉植物で発芽率が悪いものがあるので、クエン酸を利用してみます。(^^♪
みねさん。こんにちは。
酸処理は、時間を間違えると中身まで酸で侵されて死んでしまいますので注意してくださいね。
今回の発芽率の良さは、むしろぬるま湯に結構な時間漬けていたのが大きかった気もします。
なかなか難しいものですね。(人´∀`).☆.。.:*・゚