実生関連 実験関連 栽培環境構築関連

サボテンの発芽条件について(光と温度)

実生関連
スポンサーリンク

サボテンを実生したのに発芽しない!

こんなことよくありますね。

というわけで今回は、サボテンの発芽に関わる「」と「温度」について考えます。

 

■光について

サボテンの種子は好光性種子(photoblastic seed)であると言われています。

好光性種子とは光がないと発芽しない種子のことです。

実際のところ、Cactoideae(=カクタス亜科。いわゆる玉サボテン、柱サボテンのこと)の”多くの”サボ達は、光のない暗所では発芽しません。ただし、Opuntioideae(=オプンティア亜科。いわゆる団扇サボテンのこと) 、Pereskioideae(=コノハサボテン亜科。いわゆる木の葉サボテンのこと)については、光に依存することなく発芽したという論文はあります(※1、※2、※3)。

ですので、サボテンは種を蒔くときにとりあえず覆土はするべきではありません

また、種が光を感じる仕組みは、「ビカクシダを胞子培養するぞ!4週間後 | スーパーサボテンタイム」で書きましたとおり、フィトクロムというタンパク質が大きく関わってきます。

ビカクシダを胞子培養するぞ!4週間後
前回の記事はこちら さてさて、見よう見まねで撒いたビカクシダ胞子ですが、4週間がたちました。2週間ではまったく発芽しなかった胞子たちですがどうなったでしょうか。 インタビュアー「スパサボさ...

フィトクロムは約660nmの赤色光を受容し、光形態形成反応(今回の場合は発芽促進)を起こします。また、遠赤外光を受容すると、発芽が抑制されます。なお、この光形態形成反応は光合成反応と違って、とても弱い光で十分です。

※ちなみに光があると発芽が抑制される種子を嫌光性種子といいますが、好光性種子と嫌光性種子は、発芽が促進する光の波長域と抑制する光の波長域は、実はほぼ同じです。発芽を促進する波長域の促進”効果”が大きくて、抑制する波長域の抑制”効果”が小さいときには明発芽となって、その逆は暗発芽となるだけです。効果の大小が違うというだけです。つまりは嫌光性種子でも(もちろん好光性種子も)、太陽光のような全スペクトルを含む光から、発芽を抑制する波長をカットすれば(例えば発芽促進波長域である660nmあたりの光だけ照射すれば)、発芽は促進します

・・・

ということで、長文を書くのに飽きてきたので、結局話をまとめると

サボテンを発芽させるには660nmの光を当てれば良いということです!そしてそれ以外の光はカットすればよいのです!たぶん!

■温度について

最適な発芽温度はそれぞれの種類で異なります(※1)が、趣味レベルで言えば25℃~30℃を保てば問題ないでしょう(※1、※4)。

重要な事は、温度変化を少なくすることです。昼間暖かくて夜寒いとか、一日の中で日陰になる時間帯があることにより温度変化が生じるとか、はよくありません。常に一定の温度を保つことがベストです(※1)。

そういう意味では冬に保温器などで完全に温度調節して実生するのが一番簡単なように思います。

 

■参考文献

※1:[Effects of light and temperature on seed germination of cacti of Brazilian ecosystems: Seed Germination of Brazilian Cacti,ARTICLE in PLANT SPECIES BIOLOGY · MAY 2015]

※2:[Effect of light on germination of seeds of Cactaceae from the Chihuahuan Desert, Mexico 
ARTICLE in SEED SCIENCE RESEARCH 16(02):149 – 155 · JUNE 2006]

※3:[Seeds photoblastism and its relationship with some plant traits in 136 cacti taxa ARTICLE in ENVIRONMENTAL AND EXPERIMENTAL BOTANY 71:79 · APRIL 2011]

※4:[Seed germination of brazilian cacti: photoblastism and cardinal temperatures ARTICLE · JANUARY 2012]

というわけで、我が家でも1ヶ月ぐらい発芽しないものあります(2015年5月末実生)。

これです。
イポメアとかサボテンとかアガベとか。発芽しないのありすぎでしょう!
ちなみにアガベとイポメアが好光性種子かどうかは知りません。

 

HCの収納ボックスに入れます。腰水。

 

ちょうどよく蓋に透明の窓がついています。

 

伝説の自作660nmの特殊用途LED(秋葉原で入手)照射器! 12V駆動。

 

写真ではよくわかりませんが、とても直視できません。
先にも述べましたとおり、発芽のような光形態形成反応は極めて弱い光(具体的には10^-1~10^-2[μmol・m-2・s-1]ぐらい)で十分なのですが、今回はとりあえず強い光を当てます。なぜならLEDの電流を調整するのが面倒だからです。

 

乗っけます。 タイマーで12時間照射。温度をコンスタントにするため室内置き。たぶん30℃いかないぐらい。

 

真っ赤な誓い~~~!

 

660nm以外の光が入らないように新聞紙をかぶせます。

サボテンの発芽条件

さてさて、どうなりますかね~。
今後が楽しみですね。

ちなみに私の予想は「何も変わらず全く発芽しない」です(え!?)!
でもチャレンジすることに意味があるのです!

最後に言い忘れておりましたが、


発芽環境が悪いというより、種子の鮮度が悪いだけなんじゃ・・・

という意見は言わない約束になっておりますっす。

コメント

タイトルとURLをコピーしました