多肉植物紹介関連

アロエ・ビートル(Aloe cv. ‘Beetle’)の話

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昔、「アロエ・ビートル」というラベルが貼られたアロエを買いました。

普通のお花屋さんで200円だったでしょうか。

 

↓写真は2015年頃。購入してすぐ。トゲトゲがなかなかかっこいい。

 

↓写真は2017年頃。どんどん仔株が増えていきます。

 

↓写真は2019年頃。

 

そんで今。上との違いはあまりわかりませんが、鉢が一回り大きくなっています。冬の寒さに当たって茶色っぽくなっています。

昨年は、外出しっぱ栽培(ただし雨はあたりにくい)だったのですが、末端が枯れ込むといいますか、ちょっとダメージ多めでした。ただ群生パワーで大外のやつが身を挺して寒さをガード、中心の株が守られるというシステムでとりあえず無事越冬できた、そんな感じでした。

 

・・・

 

さてさて、そんな矮性のアロエ・ビートル。”Aloe beetle”で検索しても日本語のページしか引っかかりません。どうやらこのビートルという名称は日本だけでしか通じない模様。

更に検索していきますと、どうやらこのビートルは Aloe descoingsii x Aloe Haworthioides (アロエ・デスコイングシー x アロエ・ハオルチオイデス)という交雑種みたいです。

なお、学名規則的には、最初に書かれたほうが母・種子親(♀)で後に書かれた方が父・花粉親(♂)となるのが慣習らしいのですが、普通にアルファベット順で書くことが望ましいという勧告もあるようで、このビートルについてはよくわからんです(参考:国際栽培植物命名規約(その1) – 花葉会)。

 

アロエ・デスコイングシー(Aloe descoingsii)。マダガスカルの最小クラスのアロエ。栽培は容易です。

 

アロエ・ハオルチオイデス(Aloe haworthioides)。羽生錦や瑠璃姫孔雀という和名があるようですが、現実世界であまり聞いたことはないです。その名の通り、ハオルチアに似ているやつ。こちらもマダガスカル産。栽培は容易ですが、そこまで成長は早くないです。

Averater, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

 

そんで、この Aloe descoingsii x Aloe Haworthioides なのですが、”日本では”どうやらビートル以外にも下記の3つの呼び方があるっぽいです。

  • アロエ・デンティティ(Aloe ‘Dentiti’)
  • アロエ・ディスコハオルシー(Aloe ‘Descohaworthy’)
  • アロエ・ディスコウォルシー(Aloe ‘Descoworsii’)

後者2つは、なんとなく両親の学名が合体したんだなとわかりますが、前者は由来はよくわからんです。

 

で、結局こいつは”海外では”どう呼ばれているのかと言うと、いろいろ検索した結果、

アロエ・ペペ(Aloe ‘Pepe’)

らしいです。

 

で、Aloe ‘Pepe’で検索していくと、この’Pepe’はアロエのハイブリダイザーとして知られるスコットランドの植物学者、ジョン・ブレック(John Bleck)さんによって開発されたようです。ちなみに交配時期は、彼がカリフォルニア大学サンタバーバラ校で植物科学温室のマネージャーをやられていたときらしく、1979年から1982年あたりだそうです。

ちなみに、このジョン・ブレックさんによるアロエハイブリッドは、Bleck hybridなどのように呼ばれることもあり、「Pepe」の他にも、「Magoo」、「Cha Cha」、「Firefly」、「Lizard Lips」、「Blimey Limey」などがあるようです。参考:‘Pepe’ Aloe Hybrid

 

なお、アロエ・ペペは、両親のどちらよりも強健で栽培はしやすいそうです。素晴らしい。

 

ちなみに、花はこんな感じで赤く綺麗です。毎年この袋状の花がいつ開くのかなぁと思っていたのですが、これ(下2つの黄色い雄しべの先がちょこっと突出した形)が花の完成形のようです。

 

花びら(?)を切って開いてみたのが↓写真。雄しべは強制的に開いています。

雌しべが隠れてますね。というわけで人工受粉させるには花を開く必要がありそうです。

うーん、なんとも美しい色ですね。

というわけで、なんとなく見た目でお店で買った植物ですが、やはり掘り下げてを調べてみたり、よく観察したりしてみると面白いですね。

 

なお、アロエ・ビートル(=アロエ・ペペ=アロエ・デンティティ=アロエ・ディスコハオルシー=
アロエ・ディスコウォルシー)の育て方は、多肉用っぽい土に植えて適当に外においておけばいいと思います。比較的遮光気味でもいいかも。ものすごく寒い日は部屋の中にでも入れてあげると安心かもしれません。

 

というわけで、今後も巨大化していってほしいです。

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