さて、用意しますは
- 台木:竜神木(Myrtillocactus geometrizans)
- 接穂:ギガンディア(Discocactus tricornis var. giganteus)
- それよりちょっと大きな鉢(オリジナル手法)
- カミソリ
- 伸縮性の包帯
- ダブルクリップ2個(オリジナル手法)
こんなかんじ。
竜神木は、永久台木になるためよく接ぎ木に用いられる柱サボテンです。
袖ヶ浦の次ぐらいに使われている感じでしょうか。
袖ヶ浦よりも寒さに弱いところが弱点ですが、接ぎ木の難易度は袖ヶ浦よりも簡単と言われています。刺がないところも初心者にはいいですね。
接ぎ木の固定方法は、糸を使う方法、包帯を使う方法、セロテープを使う方法、瞬間接着剤を使う方法などいろいろあるようですが、なんとなく簡単そうで、接ぎ木してます感が満載の包帯法を選びました。
接穂は下の写真の左上のやつです。たぶんディスコカクタスのギガンティア(実生)です。
引っこ抜きます。
伸縮性包帯をダブルクリップで竜神木が植わっている鉢より大きめの鉢に片方を固定します。
このダブルクリップ法は、考えぬいた末の私のオリジナル手法です(たぶん)。
袖ヶ浦などの刺があるものでしたら、刺にかけるのが簡単だと思われます。
竜神木の鉢をいれます。
カミソリでスパっと。
カットします。なるべく上のほうが良いようですが、成長点が残っていてはダメです。
ちなみにカミソリは奥から手前に引くと斜めにならないそうです。
真ん中に見える丸い輪っかが維管束ですね。
鉛筆のように側面を落とします。断面が乾燥で歪むのを防ぐためです。
接穂を切ります。
接穂を切った後、すばやくもう一度竜神木の頂点を薄くスライスします。
そんで新鮮な面を新たに出して乗っけます。
そんで包帯をかけて、
反対側でまたダブルクリップで固定して完成です!なのですが、包帯をかける際にずれたり、接穂を落としたり、断面を汚したりして、何度かスライスしなおして、やり直しました(激ムズ)。
ここらへんは経験なのでしょう。
包帯のテンションもどれぐらいかけたらいいのかさっぱりわかりません。
ちなみにこの両端ダブルクリップ固定法なのですが、固定時に無駄に左右からテンションが掛かるため、接穂に横からの力が加わり、動かさずに固定するにはかなりの難易度です。
言葉での説明が難しいのですが、とりあえずお勧めしません!
あとは日陰で療養。
1週間ぐらいで包帯は外しました(超慎重に)。
4日目ぐらいで、接穂が斜めになってきたのですが、見ないふりをしました。
そんで2週間後ぐらいから通常管理へ。
そんで接ぎ木から約1ヶ月後。
新刺が出てきました。とりあえず成功ですかね。
なかなか難しいですなぁ!
参考文献:
コメント
サボテン接ぎ木入門。写真付きで丁寧にコメントが付いており
大変参考になりました。
ちなみになんですがパキポディウムの接ぎなどは経験ございますでしょうか?
実は自身で例えばラメリーに恵比寿笑いなどの接ぎなどに挑戦したいのですが
情報が全くない状態でして何かご存じであればと思いコメントさせていただきました。
どっとさん、こんにちは!
ご来訪&書き込みありがとうございます。
参考になったのでしたら幸いです!
さて、ご相談のパキポディウム接ぎについてですが、結論から申しますと申し訳ありませんが経験ありません。
ただ、個人的にはタイムリーな話で、実は全く同じことをしようと今ラメリーやゲアイーを台木用に実生しているところなのです。つまりパキポ継ぎ、私も興味があります^^;
ざっと情報探しましたところ以下のページがなんとなく詳しい感じでしょうか。英語ですが。
Grafting Pachypodiums – CactiGuide.com
接木は経験あるのみですね~。何か情報ありましたら私にも下さい!(人´∀`).☆.。.:*・゚
返信ありがとうございます。また参考のページも紹介していただき大変参考になります。国外だとgraftというのですね。
実は自分も台木育ててます(笑)サンデルシーでやってみようと思ってます。
私も方も何か協力できることあれば何かできればと思うのですが・・
まずは協力してパキポディウムの接ぎ一緒にやりませんか?
インスタフォローさせていただきました!(*´∀`)
サンデルシーですかぁ。自分は台木として見たことがなかったので盲点でした!確かに良さそうですね!
うちにも実生のサンデルシーがありますので試してみましょうかね!
パキポディウム接ぎとりあえず春やってみましょう!
インスタフォローありがとうございますっす(人´∀`).☆.。.:*・゚!
サンデルシーの色白加減がなかなか良いかなと思った次第ですが、
”実生のパキポディウム冬眠へ”お持ちのgeayi、lamereiをみると
そちらが鉄板かもしれませんね。現にラメリーがメジャー世の中では一般的
ですし。育成パワーが違いすぎる。
ちなみに穂の部分は何でやる予定ですか?
こういった話をするだけでもテンション上がります!!(*´∀`)
実は今はちょうどいい穂はグラキリスかビスピノーサムかカクチベスしかないです!
みんな接がなくても元気だし丈夫なので、久々に種でも輸入しますかね!
あとはラメリーにゲアイーを接ぐとか(!?)。
ルーテンベルギアヌムとかも台木にならないですかねぇ。
色々やってみたいですねぇ!(人´∀`).☆.。.:*・゚
ルーテンベルギアヌム渋いですね!そもそも売っているのも
ほとんど見たことないです。大型ですしパワーありそうですね。
台木でも申し分なさそうです。
ラメリーにゲアイーはえらいものができそうですね(*´∀`)
恵比寿笑いと恵比寿大黒でしたら、数粒ですが種あります。
撒いてみますか?(恵比寿笑いは3日前に採れたてのものです)
ルーテンはたま~にうちの近くのホームセンターにあったりしました(鬼に金棒という名で)。ラメリーもルーテンも見た目は違いますが同じレウコポディウム節ですから、台木になりうる気はしますがどうでしょうね。
種につきましては、どうかお気遣いなさらず(恵比寿系はいまだ高級品ですし)!
お気持ちだけで十分でございます!お互いいろいろやってみましょうっす!(人´∀`).☆.。.:*・゚
ホームセンター恐るべしですね!当方パキポディウムは
見かけたことがありません・・。ルーテンの台木ぜひ見てみたいです!
ちなみに接ぎを行う場合、穂の部分はどのくらい成長したものがベストなんで
でしょうか?※サボテンの接ぎでは最小ミリ単位でも可能と
書いてあったと思うのですが
種については、うちのスペースの関係でもう撒けない状態でして
数粒余ってしまったものなんです。種は自家製のものですし
お金も掛かっていないんで、そのへんはお気になさらずに(*´∀`)
やっぱり撒いてやるぜと思ったらインスタへDM連絡ください!!
ルーテンはパキポっぽくないし、いらないかなぁと思って私も買わなかったのですが、台木としてみたら試してみたくなりましたね。こういうときに限って売ってないんですよね。^^;
穂の大きさはどうでしょうねぇ。確かにサボテンは実生接ぎはできますが・・・。
希少なものを接ぐのに、情報が少なく何回か実験をしてみないとわからないというのが辛いですね。
種の件もありがとうございます!
自家製ということですが、実は私が知りたいのは種をどうやって受粉させるのかというところだったりします^^;。
自家受粉でしょうか?それとも人工的に二本の苗を受粉させたのでしょうか。
もしよろしければお教えいただけたら幸いです。
こんばんわ。ルーテンまた暖かい時期になったら入るかもしれませんね。
私もチェックしてみます!
サボテンも実生接ぎができるのであればパキポディウムもできると思いますよね。
これはやっぱり試さないとわからないですね。やってみないと前に進みませんし。
去年夏に撒いた数少ない恵比寿笑い(5mmぐらい)がいくつか残っているので
自身はこれで試す予定です!失敗するとやっぱり辛いですけど
(恵比寿笑いの実生がへたくそでほぼ半分になってしまいます。改善しないと・・)
受粉については、多くのパキポディウムは自家受粉が可能ですが、
成功率は圧倒的に異株と受粉したほうが良いです。これは自家不和合性からきている
ものと思われます。自家受粉の場合でも結実するにはするんですが多くは
鞘になる前に枯れてしまいます。ただ同じ株で別花から採った花粉でやると
うまくいくいったりしていました。また品種によって花の構造的に受粉しやすい
ものとしにくいものがあったりもします。
別件ですがパキポディウムの維管束はユーフォルビアに近いのでしょうか?
サボテンのように丸い維管束はありませんでした。
実は昨年、実生のグラキリスが2株咲いたときに交配しようとしたのですが、全く雄しべと雌しべがわからず(花の根本の袋の中に入っている?これが受粉しにくい構造というものでしょうかね)、カッターとピンセットでミリ単位の手術をして無理やり花粉と思われるものを取り出して、もう一つの花の袋に無理やり受粉させたつもりだったのですが、結実しませんでした。
そんなこんなこともあり、皆さんはどうやっているのかなぁと。
何もしなかったほうが、確率は低いにしろ種ができたかもしれないのですね~。
ご回答ありがとうございました!
維管束については、WEBでいろいろ調べたのですがわかりませんね。
自分も枯れたパキポを解剖して観察したことはあるのですが、如何せん枯れているわけでよくわかりませんでした。ただ、パキポ接ぎの画像を見るに、ユーフォルビアのように外周に沿って維管束があるというわけでもなさそうな気がします。恵比寿笑いのような生姜型とかどうなっているのでしょうね。興味深いです(コブを取った挿木型接木とかできるのでしょうかね)。
グラキリスも人工受粉難しい部類になると思われます。簡単なものはガク片が広いもの
例えばロスラーツム、デンシフローラム、イノピナツムなんかはやり易いと思います。
ただ難しいものもコツを掴めばうまくいきます!数こなす感じです!
具体的方法については画像があれば説明しやすいので問い合わせにメールしますので
そちらから案内します!
また維管束についてわざわざ調べてもらいありがとうございます。
確かにユーフォルビアのように外周に沿って感じではなさそうですよね。
キョウチクトウ科は真性双子葉植物なので、一般的には維管束は輪状に分類される
とのことですが実際はどうなんでしょうね。
コブを取った挿木型接木とてもシュールすぎです!